ジャンルを超えた音楽の魅力に迫るシリーズ!映画音楽を取り上げます!
今回は、英語圏の映画を取り扱い、映画音楽史を振り返ります。

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お知らせ

  • 公演レポートを公開しました!(2022年11月29日更新)

講座内容

開催日
開催時間 14:00開演(13:30開場)
会場光のホール
主催長久手市

映画音楽・ジャズ・クラシック音楽 チラシデータ


講師

小室敬幸 こむろたかゆき(音楽ライター)

1986年茨木県出身。東京音楽大学の作曲専攻を卒業後、同大学院の音楽学研究領域を修了。これまでに作曲を池辺晋一郎氏らに師事している。
クラシックやジャズを中心に曲目解説(新日本フィル、都響、N響など)や著名アーティストのインタビュー記事(レコード芸術、ぶらあぼ、intoxicateなど)を執筆する他、現在進行形のジャズを紹介する話題のムック本 Jazz The New ChapterのVol.5&6に寄稿。またTBSラジオ「アフター6ジャンクション」での映画音楽解説は毎回、大きな反響を呼んでいる。

レポート

音楽講座シリーズ第2弾の「映画音楽」。
前半は「サイレント期の伴奏音楽」と「トーキーの始まり」「初期のミュージカル映画」。
後半は「クラシック音楽と現代音楽」や「ポピュラー音楽」

【前半】
「サイレント期の伴奏音楽」
映画音楽は、無声映画の上演に合わせて、語りや生演奏を付けていたことから始まります。サイレント期の伴奏音楽は生演奏が付き物でした。最盛期である1920年代には、映画館に様々な楽器を備えたシアターオルガンができていました。

「トーキーの始まり」
トーキーとは「トーキングピクチャー」の略で、収録された音声付きの映画が登場し、ミッキーマウスのモデルで有名な「蒸気船ウィリー」などが登場しました。
今のハリウッド映画のような、本格的な映画音楽の幕開けは、映画音楽の父とも呼ばれるマックス・スタイナーの作品でした。スタイナーは「ソースミュージック=登場人物が聴こえている音」と「アンダースコア=登場人物が聴こえていない音」の2層に作り分け、1933年「キングコング」を公開したことが映画史に歴史を刻みました。

「初期のミュージカル映画」

これまでは一人の作曲家が1つの映画音楽を作っていましたが、歌を書く作曲家とそれ以外を書く作曲家がいるなど、複数の作曲家で曲を作るようになってきました。
また、オペラとミュージカルの違いも明確になりました(下記の図)

要素目的
オペラ音楽・演劇音楽を中心に他の要素を「統一」
ミュージカル音楽・演劇・ダンスすべての要素を「調和」

【後半】
「クラシック音楽と現代音楽」

クラシック音楽の語法を直接映画音楽に持ち込んだ名作曲家たちもいます。クラシック音楽を勉強して作曲もしていましたが 、映画音楽の作曲家として名が広まったのが、ニーノ・ロータ「ゴッドファーザー」、ミクロス・ローザ「ベン・ハー」、エルマー・バーンスタイン「大脱走」、アレックス・ノース「2001年宇宙の旅」などです。1960年代になると不協和音などを用いて現代音楽要素を取り入れています。

「ポピュラー音楽」
映画初頭では、クラシックの要素を取り入れて行くことが多かったのですが、ジャズやロックを取り入れていくようになりました。
ジャズは、レナード・バーンスタインが「波止場」、ヘンリー・マンシーニが「ティファニーで朝食を」などがあります。
ロックはポール・サイモンが「卒業」の中で要素を取り入れてたようです。

【まとめ】
映画音楽の創世記を追っていく今回の講座でしたが、映画音楽の作曲家として名を馳せていても、クラシック音楽の作曲家として注目されていくことを願っているようです。
映画音楽は映画なしでは成りえませんが、映画音楽として愛されたものがクラシックのコンサートホールで、クラシック音楽の楽曲として演奏される過渡期になっているようです。

【次回】
2023年1月28日(土) ジャズ
2月10日(金)の「JAZZ長久手」に合わせて、開講します!ジャズをテーマに歴史を紐解くことで、ジャズの聴き方がわかるようになることを目指します。さまざまなスタイルがあるジャズ、聴いてみたいけどどうやって聴いたらよいかわからない人もぜひご来場ください!

音楽講座シリーズ ゲーム音楽・映画音楽・ジャズ・クラシック音楽