長久手市文化の家開館25周年記念公演第二弾!

“小牧・長久手の戦い”の心理戦を描く戦国創作劇!

~歴史を動かすのは 刃ではなく 風向きかもしれぬ~

おしらせ公演内容出演観劇レポートチラシ

お知らせ

  • 公演情報を公開しました!(2023年6月13日更新)
  • チラシ情報を公開しました。(2023年6月21日更新)
  • 配役、出演者プロフィールを更新しました。(2023年7月12日更新)
  • 観劇レポートをアップしました(2023年9月15日更新)

公演概要

殺陣なし!血しぶきなし!家康と秀吉の「もしも」の心理戦!

ときは天正12年、徳川家康軍と羽柴秀吉軍が刃を交わした小牧・長久手の戦い。本当の天下分け目の戦いとも言われているこの戦いで、もしも戦いの前に両軍が戦いを避けるべく密談をしていたら・・・?もしも風が別の方向に吹いていたら・・・!?徳川軍、羽柴軍それぞれの蒼々たる武将が、あの手この手で相手の降伏を奪うべく悪戦苦闘!さぁ、勝利の風はどちらに吹く!?手に汗握る戦いの幕が今、切って落とされた・・・!!

日時

開催日時

★終演後特別企画「小牧・長久手の戦い ~クイズの巻~」

☆終演後アフタートーク ゲスト:内貴健太氏(岩崎城歴史記念館 学芸員)

※各回30分前開場

会場森のホール
主催長久手市
助成瀬戸信用金庫地域振興協力基金

チラシ

チラシデータ(表)

チラシデータ(裏)

内容

出演

徳川家康:大脇 ぱんだ(長久手市文化の家創造スタッフ/劇団B級遊撃隊)
2013年より劇団B級遊撃隊へ所属。第一回俳優A賞ノミネート、教文演劇フェスティバルにて優勝経験を持つ。演技スタイルは『その世界で生きる』をモットーにしており、笑顔で人を笑顔にする。年齢を重ね、健康のためにジムに通い始めた。

石川数正:松井 真人(劇団あおきりみかん)
劇団あおきりみかん所属。父・勝博、母・悦子の間に松井家長男として誕生。
弟は正道、ひいばあちゃんははるゑ。主演作品で、池袋シアターグリーン大賞、愛知県芸術劇場演劇フェスティバル・グランプリなど受賞。令和2年度愛知県文化選奨・文化新人賞受賞。お芝居が好き。

本多忠勝:山形 龍平(タツノオトシドコロ)
1988年生まれ。滋賀県米原市出身。2006年より演劇活動をはじめ、2010年より愛知県に拠点を映し活動中。身長は192㎝と大きく、共演者の首を疲れさせる。長身を生かしながら、時には疑いながら日々取り組む。

 

井伊直政:藤島 えり子(room16)
東海地方を拠点に活動。学生時代に美術を学び、デザイン、ワークショップも手がける。2015年度より5年間、長久手市文化の家創造スタッフとしても活動。会話劇を軸としているが音楽・美術とのコラボレーション作品への出演も多い。

織田信雄:二瓶 翔輔
俳優。埼玉県生まれ長野県育ち。名古屋学院大学在学中にフリーの役者として活動開始。
劇作家協会東海支部「俳優A賞」2年連続最終ノミネート、若手演出家日本一を受賞した演出家の作品に出演、など、近年少しいい気になっている。アメコミ映画が好き。

羽柴(豊臣)秀吉:多嘉山 秀一(長久手市劇団座☆NAGAKUTE)
長久手市劇団座☆NAGAKUTE所属。普段は市民劇団、アマチュア劇団、子ども達とのミュージカルを中心に出演参加している。今までとは少し違う共演者との本公演への参加を、とても楽しみにしている。

 

池田勝入:二宮 信也(星の女子さん)
役者。星の女子さん所属。『コミカルさと渋さを兼ね揃える永遠の若手。確かな演技力と人柄の良さで、作品の土台を支える』と所属劇団HPのプロフィールには書いてあるが、当の本人にその自覚はない。11月には『星の女子さん』の本公演が控えている。

 

森長可:熊埜御堂 正之
1971年生まれ。埼玉県出身。現在長久手市在住の会社員。28歳の時、たまたま駅で見かけた市民劇団員募集のポスターがきっかけで演劇と出逢う。以降、市民参加型の舞台を中心に大阪府や福島県で活動。今回、長久手市民枠(?)で11年ぶりの舞台出演となる。

三好信吉:すがとも(長久手市劇団座☆NAGAKUTE)
長久手市劇団座☆NAGAKUTE所属。文化の家とは縁が深い。初めて戯曲セミナーに参加したのは、いつのことかもう思い出すのも難しい。2011年にはトリプル3という企画に参加。自分の大きな財産となった。そして今回、新たな縁をいただき、とてもわくわくしている。

 

語り手:ジル豆田(てんぷくプロ)
(皆様と共に走る)てんぷくプロ所属。初舞台1987.2 恐竜〜DANCING DINOSAURS〜(てんぷくプロ第5弾)ワトソン豆田役。以降てんぷくの大体の公演に参加。次回は滝子のアトリエにて11月末~12月初頭を予定。客演ちらほら。他に日本舞踊、名古屋甚句(最近)などを少々。

 

 

作・演出

鹿目由紀(劇団あおきりみかん)

スタッフ

演出助手:蜷川湖音(ライズ)

照明:籾山勝人(長久手市文化の家)

舞台装置:小西祐矢(美術系創造スタッフ)/青山直道

舞台協力:愛知舞台運営事業協同組合

制作:ニシムラタツヤ(afrowagen)/坂元奈未(長久手市文化の家)

宣伝美術:鎌田柊平

歴史考証:川出康博(長久手市生涯学習課文化財係 学芸員)

協力:長久手市郷土史研究会、あいち手作り甲冑サポート塾

プロデュース:長久手市文化の家

観劇レポート

長久手市文化の家開館25周年記念事業「どうした長久手~九人の武将幻想伝~」が9月9日、10日、森のホールで上演されました。

1年以上前から、25周年にふさわしい演劇公演を創るにはどうしたらいいか?と考えていた文化の家職員。長久手の歴史をベースにした、子供から大人まで楽しめる創作歴史劇を創ろう!ということになり、文化財係の学芸員監修の元、東海圏の濃すぎる程の個性的な役者陣をお迎えし、さらには作・演出を、劇王で「劇帝」に君臨した鹿目由紀さんへお願いし、いざ出陣!となりました。

可変式である森のホールの特色を最大限に生かした馬蹄形舞台。その奥には各武将の家紋が入った陣幕がどどんと構えています。その雰囲気は、会場に足を運んだお客様を、独特の緊張感と期待感で包み込みます。そこへ、頬を風がかすめるように“風”と呼ばれる語り部がやってきて、自ずと作品世界へ…。しかし、風の優しさに反し、舞台に登場した甲冑姿の武将9人。迫力がすごい。しかし、彼らは刀を持っていません。

 

各陣営の心理戦をユーモアたっぷりに描いた本作。家康・秀吉はもちろんのこと、その他の武将もそれぞれが際立っていて、どの役もとても愛おしいキャラとなりました。実際に、お客様のアンケートや文化の家の職場内でも、それぞれの「推し武士」が異なっていたのが印象的です。それだけ、作・演出の鹿目由紀さんが、それぞれの武士を魅力的に描いてくださり、さらに役者の皆様がそれぞれの役に真摯に向き合ってくださったのだと思います。

そして、迫力満点の彼らですが、話し合いが進むにつれ、見事なまでに滑稽な姿が垣間見えます。会場には笑いが溢れ、武将と一緒に必死になり、なんだかお客様も各陣営の一部のよう。

実際に、彼らと我々の間には大きな違いはないのかもしれません。立派な武士であっても、所詮人は人。完璧なわけではなく、現代に生きる我々と同じように、悩み、困り、焦り、嘆いていたのではないでしょうか。そんなことを思わずにはいられない、愛おしい武将たちの物語となりました。

 

また、今回の舞台はスタッフ部門でも様々な方のお力を借りて成り立っていました。武将が身につけていた甲冑は、あいち手作り甲冑サポート塾の皆様の手作り(なんと段ボールでできています!)、本番は着付けにもお越しいただきました。また、武将が座っていた椅子は元長久手市議員が作成。舞台上に転がっていた竹も、長久手市の職員の所有地に生い茂っている竹を竹取の翁よろしく伐採して使用しました。

そんな様々な方の想いがが集まって完成した本公演。噂が噂を呼び、おかげさまで3回公演すべてほぼ満席!公演後にはクイズSHOWやアフタートークなどの楽しいイベントや、ロビーで武将たちとの撮影会など、お祭りのような盛況ぶりで幕を閉じました。

 

記念すべき25周年公演。ここからまた文化の家は新しい歴史を歩んでいくこととなります。是非ともこれからの文化の家、期待していてくださいね!