フォルテピアノ、聴いたことありますか?
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- 公演情報を公開しました!(2022年8月25日更新)
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- 公演レポートを公開しました!(2022年11月27日更新)
フォルテピアノ、聴いたことありますか?
古い時代のピアノのことを、当時の呼び方に倣って「フォルテピアノ」と呼んでいます。18世紀後半から19世紀初頭のベートーヴェンやモーツァルトの生きた時代、ピアノは今よりもシンプルな構造の楽器でした。音色ももちろん今のピアノとは違います。彼らはフォルテピアノの音で作曲していたのです。聴いたことのあるクラシックの曲が、フォルテピアノで再現されるとどんな音で紡がれるのか、ぜひ会場に体験しに来てください。
開催日 | 2022年11月25日(金) |
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開催時間 | 14:00開演(13:30開場) |
会場 | 長久手市文化の家 森のホール |
主催 | 長久手市 |
助成 | 文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業) 独立行政法人日本芸術文化振興会 |
荒川 智美(フォルテピアノ)
神奈川県横浜市出身。東京藝術大学ピアノ専攻在学中にフォルテピアノに出会い、古楽に興味を持つ。同大学院のフォルテピアノ専攻に進み、モーツァルトのピアノ協奏曲についての研究論文と演奏で博士号を取得。文化庁新進芸術家海外研修派遣員としてミュンヘン音楽演劇大学に留学し、フォルテピアノの国家演奏家資格とチェンバロの学士号を取得。現在はフォルテピアノ、チェンバロ、クラヴィコードといった昔の鍵盤楽器を用いた演奏会を各地で行っている。名古屋では、2020年にポッシブる!@WEB:NAGOYAにモーツァルト幼少期の演奏旅行に焦点をあてたおはなしコンサートで参加。また、揚輝荘や市民ギャラリー栄でクラヴィコードのコンサートを行っている。
使用楽器
製作者: 太田垣至 (おおたがきいたる)
製作年: 2015年
モデル: Gabriel Anton Walter 1795年
2022年11月25日に、午后の佇み「古くて新しいフォルテピアノの世界」を開催しました。フォルテピアノが新しい……?どういうことなのでしょうか?
出演は、荒川智美さんです。荒川さんは演奏だけではなく、スライドを使用して、演奏作品に関するお話もしてくださいました。
今回の公演では、荒川さんが演奏する楽器「フォルテピアノ」が実際に使用されていた時代の作品を演奏しました。モーツァルト、ベートーヴェンの作品を多く取り上げていただきました。
みなさんもよくご存知の「トルコ行進曲」では、「(当時は)同じフレーズを繰り返し演奏するとき、2回目はちょっとアレンジして演奏することがあった」とのことで、実際の演奏でも同じフレーズが出てくるときは、即興で装飾されたフレーズで演奏されました。なるほど、新しい……!
そして、終盤には、ベートーヴェンのソナタから、「月光」第1楽章、「悲愴」を演奏。どちらの作品も現代のピアノで勉強したことがあるレポート担当は、現代ピアノとフォルテピアノの違いをたくさん見つけられるだろう、とこの2曲をとても楽しみにしていました。
「月光」では、神秘的というか瞑想っぽい感じというか、今までとは違う響きを楽しむことができました。現代ピアノとの構造の違い(音の出し方の仕組み、ペダルではなくレバー)がよくわかる楽曲でした。そして、「悲愴」は各楽章の対比(悲劇的、おだやか)がよりはっきり聴くことができました。荒川さんが使用された楽器と同じもので作曲をしていたとされるベートーヴェン。この楽器で「悲愴」や「月光」を作曲していたと思うと、ベートーヴェンって変わっているというか、型破りというか……すごい人だったんだなぁと感じました。
楽器のことやベートーヴェンやモーツァルトの生きた時代のこと、作曲家のこと、古くて新しい音楽の魅力をたくさん見つけられた公演でした。
プログラム
W.A.モーツァルト《ロンドンのスケッチブック》より、第1曲 K.15a
W.A.モーツァルト《メッカの巡礼》の「われら愚かな民の思うは」の主題による10の変奏曲 K.455
W.A.モーツァルト ソナタ第11番 イ長調 K.311より、第3楽章「トルコ行進曲」
J.B.クラーマ― 《魔笛》の「かわいい娘か女房がいれば」の主題による変奏曲
L.v.ベートーヴェン ソナタ 第14番 嬰ハ短調 Op.27-2「月光」より、第1楽章
L.v.ベートーヴェン ソナタ 第8番 ハ短調 Op.13「悲愴」